語彙力不足日記

語彙力が低い日記

苦しくて読めない

[小説] 羽田 圭介著『スクラップ・アンド・ビルド』文藝春秋

読めば読むほど辛くなるので読めないのですが、どうすれば……こんなに薄いのに半分くらいしか読めてません。
作者、テレビでちょけ倒してたから舐めてたわ。
主人公の現状が自分とめっちゃ重なる。
どうせニートなんだからガンガン帰省して祖父母孝行すべしってのは分かるのだけれど、ひたすら体の不調を訴えられて気が滅入ってしまう。病気のことは話していないから当然お金は持ってるでしょって感じで辛い。元気なうちに会いに行かなければいけないのに帰省の話が出ると涙が出てきてここ数年は母一人で帰省している。そして実の親子だからこそ、母も傷ついて疲弊して帰ってくる。

主人公は勤め先をやめて家で資格の勉強をしている。同居している母方の祖父は死にたいが口癖。医学的にはどこにも異常がなくて元気なのだけれど、あらゆる不調を訴えて効くかどうかもわからない薬を飲んで軟膏を塗る毎日。祖父と母の関係は最悪で、親子だからこそどうにもならないって感じ。主人公は祖父の死にたいが本気なのであれば叶えてやることが孫としての最大の孝行なのではないかと考え始めて行動を起こす。

主人公と年齢も近いし、程度の差はあれど同じ無職。もしも同居していたら、こんな風になっていたのだろうかと思うと苦しくなってきてしまって……文章に飲み込まれて息ができないって感じ。芥川賞は伊達じゃないんだなぁ。最後まで読めてないけれど。


スクラップ・アンド・ビルド (文春文庫)

スクラップ・アンド・ビルド (文春文庫)