語彙力不足日記

語彙力が低い日記

眠れないからカリンバ弾こう

先日カリンバを購入した。
ピアノを辞めてもう随分経つ。もう一度音楽をやってみようか。何か小さくて手軽に始められる楽器を、とAmazonウクレレ探していた。しかし、全くの未経験なのでどれがいいかわからない。初心者向けの安価なものでも思いのほか高価だったので実物を見て決めたいが楽器屋が遠い。もう口笛とかでいいかな? なんて思っていたところでカリンバを思い出した。
私は高校生の頃、友人にカリンバをプレゼントをしたことがある。別に、友人がカリンバを欲しがっていたわけではない。当時の私は絶妙に使えないものを贈ることに情熱を燃やしていた。喜んでもらえるかよりも、笑いを取ることの方が重要であったのだ。だから彼女が好んで訪れていたエキゾチックな雑貨屋で見つけた良くわからないがとても良い音色を奏でる楽器を贈ることにしたのだ。
そのカリンバは手作りの品のように見えた。趣のある装飾が施されていて音階はさほど厳密ではなかったが、どのキーを弾いても良い感じに様になるおおらかさがあった。私はあのおおらかさが、欲しいと思った。
始めは付属の楽譜とにらめっこして弾いていたが、慣れてきた今は幼い頃に歌った歌を記憶を頼りに弾いてみている。残念ながら絶対音感なんてものは持っていないので、なかなかスラスラ弾けないが躓きながらが丁度いい。
心が落ち着かない時、曲にならない音に言葉にできない感覚を託して私は適当にキーを弾く。
思いのほか大きな音が出るので夜間は優しく撫でるように弾く。誰かを起こしてしまわぬように私の羊たちにだけ聴こえる音で弾く。どうか今夜も眠れますようにと願いを込めて。