柳広司著『ラスト・ワルツ』角川文庫,2016.3
D機関の諜報員の姿がどんどん見えなくなっていく……シリーズ一作目はヤバイ学生にイビられる軍人の話だったのに、卒業後の彼らのグレイ・リトル・マンっぷりが凄すぎてどこに出てきたのかわからん……面白い……
D機関の死ぬな殺すなって標語は目立っちゃいけない諜報員にとって本当に重要なんやな。スパイものってだいたいスパスパ殺していくけれど、D機関の諜報員は絶対に殺さないし、死なないし、そもそもいたのかどうかも怪しい。D機関的には007もイーサン・ハントもとんでもない馬鹿なんだろな。